読者のみなさま、12年半もの間、物心あいともにさまざまと支えていただき、まことにありがとうございました。心からお礼を申しあげます。
第1次安倍内閣の急な右旋回に拱手傍観しておられないと創刊した本誌が、第2次安倍政権の終焉と時を同じくして停刊するのは偶然としても、ひとまずは彼らに対して果敢であったと記しておきたい。
発行継続の声は胸に痛いものの、09年の政権交代に始まり11年の3・11、第2次安倍政権の復活、強権・強欲・モラル崩壊、米大統領の登場と世界政治の揺動、新型コロナ禍……息つく間のないフル稼働はじんわりと身に堪えてきています。つづく世代の健闘を願い、一区切りにと思い至った次第です。
もとより生涯現役、つねに最前線の気持ちで、またお目にかかりましょう。諸氏の健闘、健康を祈ります。
『季論21』編集委員会
【特別インタビュー】
凡庸な強権者<安倍晋三>
…青木 理(ジャーナリスト)
「私の戦後」再考
―書評・観想との「通信対話」
…望田幸男(ドイツ近現代史)
丸山眞男の平和思想
―地球平和憲章の理念を深め運動を拡げる視点から
…堀尾輝久(教育思想)
福沢諭吉の「脱亜論」について
…鰺坂 真(哲学)
中曽根康弘論
…佐々木隆爾(日本近現代史)
「堀場清子」という生き方にふれて
…田代真人(ジャーナリスト)
内藤分七郎小伝
―筑波蜂起勢残党の行衛を尋ねて
…宮地正人(日本近現代史)
エンゲルス生誕200年に寄せて
…岩佐 茂(社会哲学)
パンデミックとシェイクスピア、あるいは石井四郎軍医中将
…新船海三郎(文芸評論家)
ブレヒトとベンヤミン
―『スヴェンボー詩集』に表れた変革の哲学
…市川 明(ドイツ演劇)
短歌の現した戦争
―『短歌現代』二〇〇四年特集による
…原田敬一(日本近現代史)
「団塊」世代の離脱で迫られる社会運動の自己変革
―「米国覇権」解体後の新世界システムへの対応も正確に
…大西 広(マルクス経済学)
戦後民主主義と教育を考える
…川村 肇(日本教育史)
日本国内における戦争加害の痕跡について(3)
―九州各地の負の歴史を尋ねて
…李 修京(歴居社会学)
平成の天皇とは何であったのか(4)
…渡辺 治(政治学)
【書評】
清眞人著『高橋和巳論 宗教と文学の格闘的契り』
…亀山純生(宗教思想史)
河野勝彦著『実在論の新展開』
…石井潔(論理学)
【観測点】
問われる米国の単独経済制裁
…岡田則男(ジャーナリスト)
科学の力に裏付けられた沖縄・辺野古のたたかい
…宮城義弘(ジャーナリスト)
【グラビア】
風下の村
帰還困難区域―浪江町津島
読者のひろば
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